2017年 05月 23日
皮むき間伐 その後
事務所の前の杉の木、皮むき伐採されました。
この方法は、長期である4月から8月のお盆まで、スギ・ヒノキはせっせと水を吸い上げる。多くの木の細胞は生きている部分が外側にあって、皮のすぐ下で水を吸い上げるから、その時期の皮はするすると剥ける。剥かれてしまうと水を吸い上げられなくなるので木は枯れる。葉が落ちれば光が入るので間伐したのと同じ効果があるのだ。
ただし葉が落ちるのは半年後だ。その間、葉は生き延びようとして木材の中の水分を抜き続ける。おかげで半年後には木の重さが半分に下がるので人力でも運び出すことができるようになる。しかも葉が水を抜くのは、「葉枯らし」といって倒したまま放置することで良い材を得る仕組みと同じだから、良い木材になる。
この木は皮むきをされて約2年、立ち木の状態でした。
その分水分が抜け、人の手で扱えるほどの重さになっていました。
一方で、割れの問題はあるようです。
割れに関しては、どうやらひび割れは材として使うのであれば、皮むきした年の冬に伐採するなど、切る時期を考えないと難しらしいことが分かった。
もうひとつ問題点がある。夏場に木の生命を奪う問題だ。夏場は成長期だから、木材はせっせと木の中にでんぷんを貯めこむ。これがカビやシロアリの餌となるのだ。だから使える材として伐採したつもりが、木材としては良くない。まともな林業家は冬場にしか木を伐らない。それはこのでんぷんの問題があるからなのだそうです。
いい方法なんですけどね。
木材として使うことは考えず、薪やペレット用になる燃料材向けとして、また、森を守るという観点でやればいいようです。